森嶋悠乃

東京都江東区出身。2025年に東京から草津へ移住し、「草津温泉ジェラートYUNO」をオープン。店内デザインからコンセプトまでゼロから作り直し、昼はこだわりの自家製ジェラート、夜はお酒を片手にゆったりと過ごせるカジュアルバーのような、アットホームな空間を作り上げている。

「めっちゃ外で遊ぶタイプでした」。砂町で育った学生時代

草津温泉ジェラートYUNO / 森嶋悠乃

子供の頃は、どのような街で育ったのでしょうか?記憶に残っている景色があれば教えてください。

森嶋:東京の江東区、砂町という下町で育ちました。近くには亀戸や錦糸町があって、商店街の活気があるような場所です。

地元で思い出深い場所や、よく遊んでいた場所はありますか?

森嶋:よく遊んでいたのはお台場ですね。小さい頃も、高校の放課後も、海沿いを普通にお散歩したりして。小学生の時は、お台場でポケモンGOをやったりしていました(笑)。

お台場でポケモンGO! 子供の頃は外でよく遊ぶタイプでしたか?

森嶋:めっちゃ外で遊ぶタイプでした。公園で思い切りはしゃいでいましたね。

学生時代に夢中になっていたことはありますか?

森嶋:TikTokを撮ることですね。見るだけじゃなくて、友達と一緒に撮ってアカウントに載せていました。フォロワーも増えて楽しかったです。あとは、小中学校の時にずっと陸上の短距離をやっていて、部活も真剣に取り組んでいました。

「あ、今?」突然の移住と、人との繋がりが生んだお店づくり

草津に移住するに至ったきっかけや経緯を教えてください。

森嶋:きっかけは、家族が草津好きだったことです。家を購入して、さらに温泉によく来るようになりました。草津は温泉地として活気がありますよね。それに、夏が涼しくて避暑地になるところも良くて。家も購入したし「じゃあ移住しちゃえ」みたいな感じになりました。

草津温泉ジェラートYUNO / 森嶋悠乃

実際に移住してみて、想像と違うところはありましたか?

冬は雪がすごくて「死ぬかと思うくらい寒いな」って思いました(笑)。

お父様から「移住するぞ」と言われた時は、どう思いましたか?

森嶋:「いずれは」とは言われていたんですけど、「あ、今?」とびっくりはしました。ずっと都会で育ってきたので、「ちょっと山の中だな…」という環境への不安も少しありましたね。

移住してすぐに、ジェラート屋さんを始めようとなったのですか?お店のオープンに至るまでのお話を聞かせてほしいです。

森嶋:移住する前から、草津はよく訪れていて、現地の飲食店を巡ったりしていました。その時に、朝ごはんを食べるために入った「大島ミート」で、店主の大島さんと仲良くなって。お話しするうちに、大島さんも移住者だということを知ったんです。それから親身になって移住の相談に乗ってくれて、「隣の物件が空いてるよ」と教えてくれました。だから、草津に来る前からお店をやることは少し話していました。

草津温泉ジェラートYUNO / 森嶋悠乃

大島さんとの出会いがきっかけだったのですね。今の店内はビビッドなピンクでとてもカラフルですが、物件に入った時はどのような状態だったのですか?

森嶋:以前はスナックだったようで、昭和っぽい店内にソファとかもそのままの、正直あまり綺麗ではない状態でした。そこから壁を自分で塗ったりしてDIYで完成させました。ピンクが好きなので、自分で色を決めて、今の空間を作ったんです。

草津温泉ジェラートYUNO / 森嶋悠乃

毎日手作り。季節ごとにジェラートとこだわりの空間

草津温泉ジェラートYUNO / 森嶋悠乃

実際にジェラート屋さんをやってみて、地元の方やお客さんの反応はどうですか?ジェラートのこだわりや、おすすめのポイントも教えてほしいです。

森嶋:よかったです。地元の方も来てくれますし、常連さんもできました。ジェラートは毎日1から手作りしています。そうしないと味が落ちてしまうので。あとは、季節ごとにフレーバーを変えたり、うちの店でしか食べられない唯一無二の味になるように努力しています。たとえば、他にはない「温泉饅頭ジェラート」を作ってみたり。

「温泉饅頭ジェラート」というアイデアはとても面白いですよね。誰が考えたのですか?

森嶋:パパのアイデアです(笑)。草津にはお饅頭がいっぱいあるし、甘くて美味しいから、ジェラートにしても合うんじゃないかって。

草津温泉ジェラートYUNO / 森嶋悠乃

季節限定フレーバーで、これまで反響が大きかったものはありますか?

森嶋:ブルーベリーですね。結構1ヶ月ごととかで変えたりするんですけど、ピスタチオやヘーゼルナッツも人気です。わざわざそれを目掛けて来てくれるファンの方がいて。リゾートバイトで来ている方が、夏に週に何度も「ピスタチオのダブル」を頼みに来てくれたのは印象的でしたね。ピスタチオがない時はヘーゼルナッツのダブルを頼んでくれたり。

ジェラート屋でありながら、カジュアルバーのような空気感を持っていますよね。どのようなコンセプトでメニューが決まっていったのでしょうか?

森嶋:寒くなってくるとジェラートだけでは厳しいかなと思って、お酒好きなパパと一緒にお酒の提供も始めました。麻辣湯(マーラータン)もメニューにあるんですが、これは私が個人的に好きで食べたかったから導入したんです。流行る前から食べていて、大好きだったので。

ご自身の好きなものを取り入れていくスタイルなのですね。お店を運営する上で、不安や孤独を感じることはありませんでしたか?

森嶋:全然ないです。皆さんもよく喋ってくれるので全然大丈夫です。一番助けられたのは、やっぱり大島さんですね。改装を手伝ってくれたり、アイデアを出してくれたり、インスタで宣伝してくれたり。すごく優しくて、気が利くというか、私にとってパパみたいな存在です。大島さんが隣にいてくれるので心強いですね。

満天の星空と温かいコミュニティ。この町で描くこれからの景色

草津温泉ジェラートYUNO / 森嶋悠乃

草津での暮らしについて教えてください。草津で好きな場所はありますか?

森嶋:星を見るのが好きなんです。白根山の方が今は火山規制で通行止めですけど、その手前のギリギリのところまで車で行くと、星がめっちゃ綺麗に見えるんですよ。自分の運転で、友達と夜中に行ったりします。あとは、近くの居酒屋「酔酔(すいすい)」さんも、人柄も料理も良くて大好きです。

同年代が少ない町だとは思いますが、退屈したり、東京に出たいなと思うことはないですか?草津での暮らしは楽しんでいますか?

森嶋:休みの日には毎週どこかへ出かけています。確かに同年代は少ないですけど、自然が好きなので、海に行ったり、夜景や星を見たり、遊びだったらダーツをしたりして楽しんでいます。

今後、ジェラートで挑戦してみたいフレーバーや、お店のスペースでやってみたいことはありますか?

森嶋:個人的には、人気の度合いは置いておいてチョコミントを作りたいです。あとは、機会があればアサイーボウルとかも興味があります。お店としては、これからも地元の人も観光客も、どちらも来てくれるようなアットホームな場所にしていきたいですね。

草津温泉ジェラートYUNO / 森嶋悠乃

最後に、森嶋さんのご家族のように、草津へ移住を考えている人がいたら、どんな言葉をかけてあげたいですか?

森嶋:移住はいいと思います!温泉もあるし、移住者同士もみんな優しくて親切です。ぜひ移住して、自分のお店とかをやってみてほしいです。そうやって草津にいいお店がもっと増えたら、私自身も楽しいなと思います。

草津温泉ジェラートYUNO / 森嶋悠乃

編集後記

東京の下町で外を駆け回っていた彼女が、家族の縁と温かい人の繋がりに導かれてたどり着いた草津の町。厳しい冬の寒さに驚きながらも、自らの手で空間を彩り、好きなものを詰め込んでいく姿からは、しなやかな強さを感じました。手作りのジェラートには、彼女のこだわりと、この町で暮らすことの楽しさが溶け込んでいます。自ら塗り替えたピンク色の温かい空間が、これからも地元の人と旅人を繋ぐ、心地よい居場所になっていくのが楽しみです。